2008年3月20日 (木)

らせん階段

何度か 同じ景色が見えた時

初めて 自分が

少しだけ高いところにいることに 気づく

らせん階段のような登り道が

これまで全力でかけてきた君の前に

見えるだろう

夢に続いている この道を

あせらず 勇気を持って 歩いてゆこう

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2007年1月15日 (月)

1月26日

君が飛び降りた線路の上を
ダイヤ通りの列車が駆け抜ける
この国の時間はけして止まらない

それでも勇気は 君の勇気は
きっと あの日のことを知った人すべての
心をしばらく止めて  大きく揺らした

数年ぶりの大雪が 町を消してしまっても
君がここでしたことを
遠い遥か思い出の果てまで
誰かに話そう きっと伝えるよ

1月26日は 冬の真中で
春を夢見て がんばりつづけてた
君の季節と重なっていた

二つの勇気は その瞬間に
何を悔やんで 何をあきらめたのだろう
愛する人を思って笑えただろうか

二つの言葉 二つの手 時を越えて 温かく
君がここにいたことを
遠い遥か思い出の果てまで
誰かと話そう 雪は溶けてゆく

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2006年7月30日 (日)

いちばん大事なこと

   時々 けんかもしたけれど いつもあなたが先に

   笑って振り向いてくれたよね だから素直になれた

   あなたと暮らした毎日を 全部思い出せるよ

   両手をあわせて作り上げた思い出があふれてる

   あなたのやさしさが 私に勇気をくれたのかな

   あなたの笑顔は大切な 私の宝物

   どんなに小さなできごとも けして忘れないから

   アルバムのページが少なくて 思い出がこぼれてく

   いつかは そばにいて 同じひとつの夢を見ようね

   つないだこの手の温もりを いつも忘れないよ

   「心配ないよ 雨の日も いつかは晴れるから 大丈夫」

   友達の声が聞こえる

   あなたのやさしさが 私に勇気をくれたのかな

   あなたの笑顔は大切な 私の宝物

   いつかは そばにいて 同じひとつの夢を見ようね

   つないだこの手の温もりを いつも忘れないよ

                                     いつも忘れないよ

    作詞は、焼津市立豊田小学校児童との共作です。

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2006年5月11日 (木)

あらすじ

あらすじ

もしも私の人生を
あらすじで誰かが語ったら
何を話してくれるだろう
もしも私の人生を
あらすじで誰かが綴ったら
何行書いてくれるだろう

生まれて、生きて、そして死ぬ
あらすじで語れば、どんな人も
同じ人生を生きている

立ち止まってみた空の色
足元に咲く小さな花
恋を運ぶ海の風
四つ葉のクローバーを見つけた公園

あらすじで語れぬいくつもの場面が
人生を豊かにしてきた
いつしかそれに気づいていたから
毎日をていねいに生きてきた

私はこれまで何を見て
何を話してきたのだろう
そして出会った人の心に
少しでも幸せの種は蒔けただろうか

もしも私の人生を
あらすじで誰かが語ってくれたら
たとえそれが一言で終わっても
がんばって生きてきてよかったと
きっとそう思うだろう

           『文芸やいづ第16号』掲載

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2006年1月 9日 (月)

手紙

      手紙


どうして こんなに 心の中が書けないものでしょう

使い慣れないむずかしい心 辞書で手繰りながら

こんにちは の次の言葉が出てこない

たしかにひとつ たったひとこと

あなたに伝えたい

たしかにひとつ たったひとこと

それだけで いいのに

季節の移り行く窓や 子犬が生まれた日のこと

思わず書きつづけてしまう 水色の便箋



行の隙間に気をつけながら 一文字ごとに力が入る

明日という字も うまく書けない 線が一本増えて

これじゃ明目に見えるかな また初めから

たしかにひとつ たったひとこと

あなたに伝えたい

たしかにひとつ たったひとこと

それだけで いいのに

電話でさえも言えなくて 手紙を書き出したけれど

どうして素直になれないの 大切な一言

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2006年1月 7日 (土)

   雪の降らないクリスマスの夜                         

娘も息子も

私たちとテーブルをはさんで座る

四人とも別々のメニューから顔を上げない

あの頃は

メニューをテーブルに広げ

それぞれの選んだ「御馳走」に

感心したり、文句を唱えたり・・・

二人を見ている私に気づき

「楽になったものだ」とあなたが言う

でも

顔を上げた弟は

相変わらずいちばん高い品を選ぶ

姉は弟をひとにらみした後

値段の安い方を選ぶ

娘の気づかいが

いつか訪れるであろう終わりの予備信号のようで

少しこわい

お寺の鐘を百八つ数え

鳥居をくぐって柏手を打つ私たちに

十二月二十五日を祝う理由は少しもないのだから

年に一度の家族の楽しみを

いつまでも続けたいと思うのは

ぜいたくなのかもしれない

もう何年も

クリスマスの静岡には雪が降らない

雪のクリスマスはすてきだろうけれど

また今年も 

雪の降らない静岡で

四人のクリスマスを迎えられたことを

今夜は神様にそっと感謝しよう

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2005年12月24日 (土)

Just a Little Love

    Just a Little Love
 

きっと運命の女神は気まぐれじゃなくて

二人の出会いは けして偶然じゃない

風に遊ぶ吊り橋の上でも

その手 握れば もう ゆれたりしない

Just a Little Love

この小さな始まりが

いつか世界を暖めますように

to love  照れずに

愛をくちびるに乗せて

あなたと 少しずつ

信じることがこんなにうれしいなんて

明日のことも来年のことも

そして新しい命が生まれて

愛を確かに伝えていくこと

 

Just a Little Love

この小さな始まりが

いつか世界を暖めますように

to love 送った分だけ

愛は増えていく

あなたと いっしょなら

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2005年12月19日 (月)

Merry Christmas Darlin'

  Merry  Christmas  Darlin'

いつかあの日のことが思い出という名の

化石みたいになるかな 氷に閉ざされて

何万年たっても愛は変わらない

オンザロックで溶かせば やさしい音になる

降り始めた雪のひとつひとつはすぐに消えてしまうけど

あきらめず 重ねれば 愛も形になる

Merry  Christmas  Darlin' 雪の日も暖かい

Merry  Christmas  Darlin' いつまでもそばにいる

いつか二人のことは  歴史の片隅に

忘れられて消えてゆく  名前も面影も

形は見えなくても 愛は終わらない

風は ほら 歌いながら 世界を駆け巡る

今日生まれたあの人みたいに少しさみしい瞳で

あふれるほど幸せをふりまけないけれど

Merry  Christmas  Darlin' 二人なら温かい

Merry  Christmas  Darlin' いつまでもそばにいる

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2005年11月 4日 (金)

心幅

   心幅                                                

「人物」になろうとして

冷静を装う

嫌悪へ向かう心の振り子の振幅を

最小限に押さえるため

視聴覚に笑顔のフィルターをかける

心の振幅はしだいに小さくなり

雨をうらむことも

冬の寒さを憎むこともなくなった

そのかわりに

朝日に祈る衝動もなくなり

春の芽吹きが心の外に映るようになった

この振幅がゼロになる時

わたしは聖人となるのか

それとも廃人になるのか

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2005年10月10日 (月)

なきうさぎに会ったなら

   なきうさぎに会ったなら
 

なきうさぎに会ったなら

春の風 伝えてね

きたこぶしの開く音が

遠く聞こえてくる

 

なきうさぎに会った時

夏の空 見上げると

小さな耳をくすぐって

風が歌ってゆく

 

なきうさぎのなく頃は

秋の陽もかたむいて

午後の小さな日だまりに

二人 肩をよせる

 

なきうさぎのねむる家

冬の日も暖かい

部屋いっぱいのぬくもりで

春の夢を見るの

 

なきうさぎに会ったなら

春の風 伝えてね

氷の下にせせらぎが

そっと 生まれている

  ※ 2005年9月28日~10月10日まで

    静岡県立美術館県民ギャラリーで流れていたBGMの歌詞です。

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