« 2005年9月 | トップページ | 2005年11月 »

2005年10月10日 (月)

なきうさぎに会ったなら

   なきうさぎに会ったなら
 

なきうさぎに会ったなら

春の風 伝えてね

きたこぶしの開く音が

遠く聞こえてくる

 

なきうさぎに会った時

夏の空 見上げると

小さな耳をくすぐって

風が歌ってゆく

 

なきうさぎのなく頃は

秋の陽もかたむいて

午後の小さな日だまりに

二人 肩をよせる

 

なきうさぎのねむる家

冬の日も暖かい

部屋いっぱいのぬくもりで

春の夢を見るの

 

なきうさぎに会ったなら

春の風 伝えてね

氷の下にせせらぎが

そっと 生まれている

  ※ 2005年9月28日~10月10日まで

    静岡県立美術館県民ギャラリーで流れていたBGMの歌詞です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年10月 8日 (土)

季節の小箱

    季節の小箱

季節の小箱から

梅雨の空を引き出して

君が生まれた五月の風を

大切にしまい込む

君の手の中には

春の匂いが残っていて

僕と指切りしたとき

そっと逃げ出していった

二人飛んでみたくなるほど

やわらかな春の空

覚えていようね

熱く燃える前の静かな春の一日を

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005年10月 3日 (月)

羽化

    羽化

今まで ただ じっと

眠り続けていたのだから

体が壊れるほどの痛みが襲ってくるのは

当然なのだとわかっていても

心が恐れるほどの痛みにさえ

耐え続けなければならない毎日は

さすがに この僕を 叩きのめそうとしている

自分はこれほど

 大それた役をやる人間ではない

自分はそれほど

 強く前向きな人間ではない

じっと蛹のように

 閉じているのがいちばん似合っている

昨日までは

気楽な毎日を何十年も正当化して

一人だけの幸せにありつこうとしていた

けれど 幸せは

向こうからやってくる運命ではなく

季節の風とともにめぐり来るものでもなく

ただ 人と人の間に生まれ

人の手から人の手へと

大きくふくらんでいくものだとわかったから

僕も幸せを誰かに繋ぐための

大きな背中と強い羽を持って

この場所から翔んでみようと

人並みに思えた自分に

少し照れ笑いを浮かべて

今まで ただ じっと

眠りつづけていた体と心が

音を立てて変わっていく日々を

いつか懐かしく

空の上から見下ろす朝を夢見て

重い頭を持ち上げれば

硬い殻の割れ目から

痛んだ筋肉に

日の光が差し込んでくる

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年10月 2日 (日)

ふとんの舟

     ふとんの舟

ボクはね これから ふとんの舟で

おもちゃの国へと でかけるのよ

そうして おもちゃのおひめさまと

なかよく 遊んでいらっしゃい

ボクとね ママのね ひみつなのよ

ふとんのお舟の出発時間

パパがね 帰ってくる前に

ふとんのお舟に乗り込もうね

 

ゆらり ゆらり 星の間

ゆらり ゆらり ふとんの舟

 

ボクはね これから ふとんの舟で

おもちゃの国へと でかけるのよ

ママのね だいじな 王子様

おやすみなさい おやすみ

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2005年9月 | トップページ | 2005年11月 »