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2006年1月 9日 (月)

手紙

      手紙


どうして こんなに 心の中が書けないものでしょう

使い慣れないむずかしい心 辞書で手繰りながら

こんにちは の次の言葉が出てこない

たしかにひとつ たったひとこと

あなたに伝えたい

たしかにひとつ たったひとこと

それだけで いいのに

季節の移り行く窓や 子犬が生まれた日のこと

思わず書きつづけてしまう 水色の便箋



行の隙間に気をつけながら 一文字ごとに力が入る

明日という字も うまく書けない 線が一本増えて

これじゃ明目に見えるかな また初めから

たしかにひとつ たったひとこと

あなたに伝えたい

たしかにひとつ たったひとこと

それだけで いいのに

電話でさえも言えなくて 手紙を書き出したけれど

どうして素直になれないの 大切な一言

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2006年1月 7日 (土)

   雪の降らないクリスマスの夜                         

娘も息子も

私たちとテーブルをはさんで座る

四人とも別々のメニューから顔を上げない

あの頃は

メニューをテーブルに広げ

それぞれの選んだ「御馳走」に

感心したり、文句を唱えたり・・・

二人を見ている私に気づき

「楽になったものだ」とあなたが言う

でも

顔を上げた弟は

相変わらずいちばん高い品を選ぶ

姉は弟をひとにらみした後

値段の安い方を選ぶ

娘の気づかいが

いつか訪れるであろう終わりの予備信号のようで

少しこわい

お寺の鐘を百八つ数え

鳥居をくぐって柏手を打つ私たちに

十二月二十五日を祝う理由は少しもないのだから

年に一度の家族の楽しみを

いつまでも続けたいと思うのは

ぜいたくなのかもしれない

もう何年も

クリスマスの静岡には雪が降らない

雪のクリスマスはすてきだろうけれど

また今年も 

雪の降らない静岡で

四人のクリスマスを迎えられたことを

今夜は神様にそっと感謝しよう

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